1回転しても元に戻らない

不思議な性質

電子スピンには、1回転しても元に戻らないという不思議な性質があります。電子スピンには、上向きと下向きという二つの方向があります。上向きの電子スピンの電子を1回転させると、常識的には上向きに戻るはずですが、実験すると下向きにしかならないのです。電子を1回転させても、電子スピンは半回転しかしないのです。2回転させて初めて上向きのスピンに戻ります。この現象は、数学的には説明されていますが、物理的には説明できないとされてきました。

ジャイロ効果で説明できる

では、電子内部に電荷の流れが存在するとしたら、この不思議な性質は説明できるのでしょうか。結論から言えば、説明できる可能性があります。高速回転するジャイロに外部から力を加えると、加えた力の方向には回転せず、加えた力の直角方向に回転軸が動きます。

電子スピンが電荷の回転によるものだとすれば、電子に外部から回転する力を加えたとき、電子スピンは加えた力の方向とは直角方向に回転すると考えることができます。そして外部から電子を1回転する力を加えたときに、ちょうど半回転しかしないと考えれば、上向きのスピンが下向きにしかならない性質を説明できる可能性があります。

ジャイロでは加えた力の直角方向に回転軸がうごくことの説明図
ジャイロ効果では、外から加えた力の直角方向に回転軸が動く